この地球は表面積だけでみても70パーセント以上が海です。
そして、海洋に生きる彼らは深さをもともなう3次元の広大なフィールドの中で
生活しています。
彼らの頭脳は人間と同じぐらいか、または、それ以上に優れているのではないか...
ともいわれています。

昔、私たち人間もそうであったように
生きていく為の目的、生活環境を知る知識にその頭脳は
集中して使われています。
もしかしたら、私たちや地球に生きる生物の運命は彼らが
知っているのかも知れません。
また、私たち人間がどう行動していくべきかも...。

If we look at the surface of the earth we live on, we discover that over 70% is covered by water.
In solid terms, when considering volume, the land area we occupy is comparatively small. In addition, with land, we only have the surface area to measure whereas the depth of the sea has to be taken into account.
That`s their home. The dark depths of the ocean: a place untouched by the rays of light that play on the surface of the waves.

Can we really claim that as human beings we are the most intelligent life form on earth?


最近わかってきたこと

まず、イルカやクジラが魚だと思われている方がおられますが、鯨類は魚ではありません。私たち人間と同じ哺乳類です。

最近、八重山海域で彼らの座礁の調査や救援活動でわかってきたことは、
 鯨類はかなり臆病だということ。サメや大きな音などに驚いて浅瀬や湾、港の中に入り込むことがある。
以前から私たちは訴えていることだが、それらの鯨類を慌てて外海に追い出すのは彼らにとっては危険なこと。いくら何でも鯨類がそこから出て行くぐらいのことは簡単なことだということを理解して欲しい。数日、様子を見て、出て行きそうもなかったら追い出すことも必要になるかもしれないが、入ってきたからといってすぐに追い出すのは、彼らにとっては有り難迷惑というものになりかねない。
無理をすることによって、人間にも危険性が高くなる。大型の野生生物であるということを忘れてはいけない。

 また、最近話題になっている主に米軍のソナー問題。米カリフォルニア沿岸だけでなく、世界中にその危機があるようだ。
日本近海で起きている小型鯨類の集団座礁や大型鯨類の座礁についても、ソナーによる聴覚及び脳への障害の可能性が大きいようだ。
以前、石垣島でユメゴンドウがテトラポットへの座礁、後日同じ集団だったと思われる別の2頭が死後漂着した例においても、当日は同地点の登野城漁港に於いてトライアスロン大会が開催されていた。
スロープ状になる港から大きな音を立て多くの選手が泳ぎだした場合、音が増幅される等の作用がおき、その音に驚いた鯨類が座礁してしまったのではないかという推測も成り立つ。
鯨類を保護している時に感じることは、音にすごく敏感だと感じ、その時のストランディングは、その推測が確率的には一番高いであろうと感じている。
 
 それ以外には、ゴミの問題。イカや魚、クラゲを食べているイルカやクジラは、それらと間違って食べてしまうことが多々ある。
今では多くのイルカやクジラの胃やにはそれらが紛れ込んでいることだろう。
他には、海鳥やウミガメ、海牛類など、ビニールやプラスチックなどのゴミが原因で死亡している生物は沢山いるのが実情。

○ここ数年で10頭以上の死亡し浜に流れ着いた鯨類を調査したが、その多くにダルマザメに食いちぎられたあとがほとんどすべての個体の体に残っていた。ダルマザメによる咬傷は致命的なものではないと考えられるが、普段元気な姿で泳いでいる鯨類にはほとんど見掛けられない傷である。(御蔵島では元気な個体でも咬傷跡があるイルカがいると聞いている)。釣り上げたマグロ等にも多く見掛けられるとのことだが、そのほとんどが釣り針に掛かってから襲われているらしい。
また、座礁調査個体の1/3程には尾ビレが切られて無くなっているものがあった。
以前は、サメによるものと考えていたが、どうやら定置網などの漁網に掛かった個体の尾を切り落としているようだ。網で捕獲した場合、大きな魚同様に尾を切り落とすらしい。

 人間はもともと陸に住む動物。海を侵略するのではなく、昔そうであったように、彼らから分けてもらっていると考えられないのだろうか。
その考えが海洋資源の保護や、保全に繋がるのは間違いのないことだ。

 また、老衰や自然の状態で死亡した鯨類を海で見掛けることは全くといっていいほどない。いったいどこでどのように死んでいるのかさえ定かではないものが、なぜ、浜に自ら打ち上がったり、海に浮いて漂い、浜に流れ着くのであろうか。彼らからの何らかのサインではないだろうか?!
彼らが望む望まないに関わりなく。。

 水中翼船
また、水中翼船等の高速船のスピード、水中で出す音の到達範囲や時間は問題。
水中翼船は、他の船ほど水中に大きな音を立てず、しかも前方には音が届かない。さらに海上では考えられないほどの高速で進行するため多くの魚類や鯨類はその船の犠牲になっているようだ。
昼間は多くの鯨類は海面に浮かんで(ゆっくり泳いで)寝ていることがよくある。普段ならばその船が近づいてきた場合、回避できたとしても、寝込みを襲われた場合、回避できるとは限らないのであろう。
また、鯨類の子供が興味を持ったり、それに注意しない場合、親がその音を出すものと子供の間に入り犠牲になることが考えられる。
現在は、水中スピーカーでパルス音を出しているが、それを鯨類が嫌がって避けるとは考えられない。オルカ(シャチ)の鳴き声を流すほうが良いかも知れない。

 定置網 (漁網による混獲)
八重山海域でも定置網に入り込み死亡してしまうケースが起きている。その多くは、若い個体。経験不足からくるもののようだ。
尾ビレが切られて見つかる漂着個体のほとんどは定置網等にからまり、魚網から外すため故意に尾ビレを切断したものと考えられる。(サメ等と同じ方法)
八重山周辺海域においては大型定置網は設置されていないようだが、沖縄本島や日本全体ではかなり大型の定置網が設置されている。その中に迷い込んで、出られなくなり捕獲されている鯨類の頭数は年間で200頭以上。処分に費用が掛かるということで、その鯨肉類は販売されている。

 米軍のソナー
潜水艦の位置測定に、世界中でかなり強力なソナーを使っているようです。
人間の眼の替わりに音で状況の判断や獲物を知り・会話する鯨類が被害を受け死亡していることが分かってきました。
それ以外にも漁業で、強力なソナーを使用される場合もあるようです。

 環境汚染
勿論、海洋生物のなかでも食物連鎖の上位にたち、寿命が永い鯨類(特に歯クジラ)は重金属類による汚染、環境ホルモンによる撹乱が起き始めている。近年日本近海で座礁した鯨類の多くは、水銀による高濃度汚染が確認されている。
先にも述べたプラスチックやビニールなどのゴミもこの中に含む。

 ドーモイ酸等の海洋毒の問題


 ユメゴンドウが鮫に襲われた
'04.8.14日、鮫に襲われ浜近くに逃げてきて死亡したと思われるユメゴンドウが石垣島太平洋側で見つかった。
傷が表皮・脂肪層だけがかじられ、筋肉層までは達していなかったがため、なんとか浜に辿りつくことができたようだ。
このように、座礁の原因がはっきりとした証拠で見つかることはまずないことだが、鯨類が浜に打ち上げられるのは異常なことが起きたからだという証拠でもある。




もっと、自然に(自由に楽しく)生きようよ!
 私には、彼らの集団でのストランディングが「イルカ、クジラたちが私たち人間に何かを伝えるための手段(自殺)」に思えてなりません。
「何を伝えようとしているのか、なぜそんな手段をとるのか...」それは私たち人間に与えられた課題であり、地球(地球上に生きる生物)自身の将来を考える上で重要な鍵を握っているような気がしています。

2000.10


 「集団でのストランディング(集団座礁)

 さて、なぜ鯨類は集団で座礁するのでしょうか。
集団でのストランディングは、今のところ「海洋汚染等による免疫抵抗力の低下により、寄生虫(アニサキスやセンビ線虫)の繁殖がいっきに増加し、体力が低下した」(普段から体内に寄生している寄生虫が、海洋環境の悪化等により免疫抵抗力の低下。その結果、集団のすべてが一気に蝕まれたと考えられている)。そして、その寄生虫による方向感覚や地形を読みとる耳管や半規管の異常(病気)によるものというのが主な理由とみられているようです。
 また、遠浅の海において陸と海の方向が解らなくなる。
「その海域での磁場の異常」が原因ではないかと考えられていますが、果たしてそうなのでしょうか。

 例えば、普段傷を負ったり、体力の低下したイルカたちは、波が穏やかで呼吸がしやすく、外敵のくる心配の少ない浅瀬などで傷を癒す行動が見掛けられるようです。
また、魚類たちと同じように、エイドステーション(ある種のベラやスズメダイ、小型のエビなどが体に付着する寄生虫や菌などを取り去ってくれる場所)や、河川や浜近くなどの真水の流入する場所へ寄生虫の排除や治療にやってくることもあるでしょう。
そして、バンドウイルカの仲間が川をさかのぼり魚を岸辺に追いつめ、いっきに体ごと岸に乗り上げて打ち上げられた魚をくわえて、再び川の中に戻っていく行動も見掛けられています。
また、八重山海域では西表島の船浦湾などのかなりの浅瀬で、天敵であるサメ(やシャチ)などに追われたり傷を負ったりしたイルカやクジラが療養しているのが見掛けられたことがあります。
(回遊時以外、彼らのほとんどは、昼間海面上に頭だけ出して浮いていたり、ゆっくり泳ぎながら片方の脳ずつの短時間睡眠を繰り返していて、夕方から朝にかけ補食に出掛けることが多いようです)
もちろん、サメ等も主に夜行性ですから夜間はもっとこういった光景が頻繁に起きていることでしょう。
あれほど透明度が悪い遠浅の海域で、潮の干満の激しい場所に衰弱したイルカが療養に来ては無事に帰っているのです。
その傷や病気の痛手が大きく、そのまま浅瀬に打ち上げられて死んでしまうことも考えられますが、その傷やケガ、病気などのまったく見あたらないイルカやクジラたちが、集団でストランディングしてしまうのはどういうこと?なのでしょうか。
また、衰弱してストランディングするような状態であれば、体が傷だらけになっていたり、かなり衰弱してやせ細っているのではないでしょうか?
解剖して調べた結果、数個体の体の中にいる寄生虫の数が普通より多かった。というだけでは免疫力の低下による集団でのストランディングの説明にはならないような気がします。 

 最近の解剖結果および研究からは、食物連鎖の上位に立ち、体に脂肪を蓄えられ、生存年数の長い鯨類は、やはり高濃度で環境ホルモン、海洋性毒や重金属などの汚染物質の影響を受けているようです。

 かなり頭脳が発達し、人間よりもはるかに自然や海、環境が読みとれ、また、エコローケーションシステムで方向や地形を判断するばかりでなく、たとえ、地磁気の乱れなどで地形が読みとれなかったとしても、彼らは水面から頭を出して(空気中で)周囲の状況を自分の眼で判断することもできるのです。
(かなり入り組んだり、サンゴが発達したサンゴ礁域での干潮時は、水面では周囲の地形判断が不可能)

 また、いくら半器官などが寄生虫に蝕まれて方向感覚を失ったとしても、集団で即座に死に至るような行動に出るでしょうか?
そして、集団で浅瀬に乗り上げた場合においても、人間の手で彼らを海に返そうとしたり、波で海に帰れたとしても、残った力を振り絞って、ふたたび自ら浅瀬に乗り上げてくる場合がほとんどです。
いったいこれは何を意味しているのでしょうか?

普通に考えると、「イルカの集団が気が狂った。」としか言いようがないのかもしれません。
私たちは、彼らと意思の疎通が出来るのであれば、そのことを彼らに聞きたくて仕方がありません。

実際にマダライルカの救助時に、私も体験しましたが、彼らは自殺しようとすることがあります。
また、イルカの調教をしていたR・オバリー氏によると、彼の手の中で呼吸を止め静かに水中に沈んだままだったという体験を著書に書いておられます。
私は、打ち上げられたマダライルカを水深1〜1.5mの場所で放し、様子を伺っていたのですが、しばらくゆっくりと泳いでいたのに、私から少し離れた場所に行き、急に海底にゆっくりと沈み数分間浮かんでもこないという行動を2回目撃しました。
その時は、急いでその場所にかけより、海面に持ち上げると呼吸をしてくれましたが、あのまま放置すると自殺していたに違いないでしょう。
その後、しばらくして船を借りることができ、無事に沖に連れて行くことができ、
以前にもあったことですが、水深のある場所で放すとわりと元気よく泳ぎ去ってくれました。


遺伝子に組み込まれたプログラム
 昆虫や本来繁殖力がかなり旺盛なほ乳類たちは時として、生息環境において種の個体数が増加しすぎると集団で自殺する行動に走ることがあります。
そして、人間も種の数が増えすぎると個体数を減らす為に?!殺人や戦争に向かうことがあるそうです。
 
 現況を見る限りでは、少し前まで鯨類は捕鯨によりかなりの頭数を捕獲し、多くの種類が絶滅の危機に瀕していた事は事実です。
もし、個体数の増えすぎに起因する集団自殺だとすれば、彼らが絶滅の危機に瀕している場合や、個体数減少状態の時期にそれが起きるわけがありません。
本来、地球の大部分(表面積だけでも70%以上)を占める海洋に暮らす鯨類たちは、その多くが人間の目につく所で生活をしていません。そして、彼らがどこでどのように死んでいくのか分かっていません。「人間の目につくところで死んでいくこと」それ自体が異常な行動なのです。



 

今から、わずか50年前までは海洋汚染や環境汚染の陰はまったく見掛けられなかったそうです。
でも現在では、両極や、太平洋や大西洋の真っ直中にある現代文化・文明とは隔たれた島々にまで、海洋汚染・プラスチックのゴミ・酸性雨が降り注いでいます。
人間社会や文明は、私たちが幸せになるために発展してきているはずなのに、はたして現状はそうだと言えるのでしょうか?


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